鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
2020年、世界は新型コロナウイルスにより大きな影響を受けました。当院でも、コロナ対策の体制整備として、さまざまは方針転換を迫られました。中でも、病院が初めて面会禁止、外出泊も原則禁止を選択したことは、患者さん・ご家族にとって、そして私たちにとっても切ない方針の一つであったと思います。
平常とは異なる「入院」という状況でありながら、直接会えない、様子がわからない不安を少なくするためにどうしたらよいかを考え、工夫も続けました。Web面会、患者さんの様子をお伝えするご家族へのお手紙・お電話、感染予防に努めながらの病棟でのミニレクリエーション、そして変わらないケアの提供を続けること。
職員自身も家族や友人と気軽に出かけたり、気分転換の機会が少なくなっています。それでも、いつもと変わらない笑顔と元気で患者さんのケアにあたっています。また、学ぶ姿勢も無くすことなく、クリニカルラダーのそれぞれの課題にも取り組んでもらいました。今月の発表会では、一人ひとりの日々の活力を大いに感じることができました。そんな職員に感謝しながら、これからも患者さん、職員を感染から守っていくための体制管理に尽力していきます。
最後に、今年の「あかりの夜」の様子をお届けします。開催中止も考えましたが、こんな状況だからこそ患者さんに少しでも楽しんで頂きたいという思いで、大幅に規模は縮小しましたが「あかり」を届けることができました。来年は穏やかな年になることを切に願います。
ラダーⅡ・初年度のまとめ研修では、これからのキャリアを考える参考として、先輩たちからの講話を真剣に聞きました。
問題解決コースの成果発表会では、それぞれの病棟で改善したいことへの取り組みが発表され、ぜひ継続してもらいたい内容ばかりでした。
ここからは、「あかりの夜」の様子です。
今年は南館と本館の2か所の屋内での開催となり、今年度の担当の加藤科長、中根科長が図面を作成。
図面に沿って並べて・・
完成!ロウソクは使わずに、LED電球で工夫。
南館ではクリスマスシーンの動画とともに楽しんでいただきました。
本館でも'密'にならないように、入れ替わり制として、多くの患者さんに見ていただくことができました。
鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
1.看護師特定行為実践に同行しました
2020年も残り2か月となりました。これからインフルエンザの本格的流行シーズンとなりますので、新型コロナと合わせて、より一層感染対策が求められる緊張した日々を迎えます。今年は職員のインフルエンザワクチン接種は「密を避ける」ため、外来では1日あたりの人数を制限する体制になります。そのため、例年よりも接種期間が長くなり、今年の接種はもう少し後になりそうです。
さて、先日久しぶりに特定行為実践に同行しました。法人施設の一つである老人保健施設・ライフプラザ鶴巻の村松副施設長兼看護長(当院の特定行為実践看護師の一人目!)もチームの一員として参加しています。特定行為を実施する看護師の「手」が優しくあたたかいということはずっと感じていましたが、久しぶりに見学して、実践を積み重ねた人たちの技術は、さらに「技」になっている!と感動!!この感覚をどのように説明したらよいのかいろいろ調べていたら、すとんと落ちた記事を発見しました。
「技神~WAZAGAMI~」https://wazagami.com/に書かれていたことは、「'技術'はそれを持っている人がこのようにやったら誰でもこういう答えが出るという普遍的な再現性を持ち、しかも科学的に確立されたレベルにあるもの。(中略)ところが'技'はそれを持っている人だけが使いきれるものであり、このようにやったらこういう答えがでるという個人的再現性は持っていますが科学的な解明はされていないスキル。(続く)」
まさしくそうそう!!行為としての技術を次世代に教えることはできても、教わった人がその人と同じようにできるのかというとそんなわけにはいかず、「積み重ねる」意義は、「技」を生み出すことにつながると心に落ちました。次はどんな発見があるのかわくわくします。
「何かした?」と思うくらい、スッと行為が終了し、患者さんも安楽、安心。
声かけや観察は基本です。
左から、下田科長、柏木副部長、水谷科長、村松看護長兼副施設長
2.セコム提携病院外国人介護・看護師合同交流会
セコム提携病院や施設には、多くの外国人人材が所属しています。定期的に交流会が原宿本社ビルで開催されますが、今回はリモート交流会となりました。三喜会には、当院に中国人看護師1名、横浜新緑総合病院に中国人看護師2名・介護技能実習生1名が在籍し、活躍しています。今回は、この4名が当院に集まってリモート交流会に参加しました。
セコム医療システム会長挨拶、社長講和から始まり、自己紹介、職種に分かれてディスカッションを行いました。私は、最初と最後だけの参加で、ディスカッションの内容は把握していませんが、漏れ聞こえたことは、「コロナになって友達と会えなくなった。遊びに行く機会がなくなった。」という感想もあれば、「出かけなくなり貯金が増えた。」という明るい(?)感想もありました。
小松社長の講和で「コロナのせいでできない・我慢することもあるけれど、この状況になったから感じた大切なことや感謝することもある。それを大切に、これからも挑戦し続けてほしい。」というエールが送られました。母国を離れて挑戦する皆さんの姿は本当にすばらしいです。ぜひ、目標に向かって進んでいってくださいね。
看護師の3名。ディスカッションは看護職と介護職で分かれるため、
介護職の1名は別室でリモート
小松社長の講和の一説に引用されたアンネフランクの言葉。「太陽の光と雲ひとつない青空があってそれを眺めていられるかぎり、どうして悲しくなれるというの?」どんな環境にあっても希望をもって生きたいという思いです。
1.秋の異動
夏の猛暑が幻だったかのように涼しくなり、気づけば10月になりました。10月1日は、看護部にとっては「秋の異動日」でもあります。異動になる主な対象者は、昨年4月に新卒で入職した職員です。当院は亜急性期~回復期、慢性期、終末期等、多機能の病棟を有しており、そこで求められる知識、技術は当然異なっています。そのため、同時期に入職した職員の学べる機会をできるだけ均等にしたいという願いで、この時期に異動を実施しています。いわゆる「2年目の職員」にとっては初めての異動であり、不安や緊張が伴い、中には「この病棟(機能)でずっと学びたい」という人もいます。それでも、さまざまな機能を学んで成長してほしいという願いは変わりません。
異動した場所で経験を積むうちに、「こっちの(機能の)方が自分にあっている」という職員も少なくありません。また、異動することによって職員のつながりが拡がり、院内での知り合いも増えていきます。異動をマイナスにとらえるのではなく、新たな挑戦ととらえて成長していってほしいと思います。
さて、先日、食堂に'シェフ'がやってきました。イベントメニューのカレーを提供してくださり、おいしくいただきました。いよいよ食欲の秋だ!と気分が高まり、新型コロナの感染は続きますが、患者さん・ご家族、職員にとって少しでも楽しみのある秋になることを願っています。
食堂では定期的にイベントメニューが提供されます。
ゲストが登場されることは貴重!
カレーは辛さはおさえられていてまろやかクリーミー、鶏肉がやわらかーい!
グレープフルーツジェリー(左上)は果肉ざくざくで美味❤
看護部にいる古矢さんのお弁当を突撃訪問。
何の予告がないにも関わらずこのクオリティ。おいしそう!
2.新しい顔 その5
5年間、地域連携室で活躍してくれた岩川科長が、今年度看護部に戻ってきました。岩川科長は脳卒中リハビリテーション看護認定看護師であり、地域連携室ではその豊富な知識を大いに活用して、他病院や地域とのつながりを構築してくれました。
看護部に戻った当初は、岩川科長を長く知っている職員は5年ぶりに見る白衣姿に笑い(私も大笑い!)、地域連携室での姿しか知らない職員は「新しい科長さんですか?」といった反応でしたが、周囲をよそに本人はわくわくした様子!それから半年が経過しましたが、患者さん、職員とともに考え、喜び、悩み、ときに叱咤し、病棟で起こる一つ一つのことに真摯に向き合いながら、充実している様子が伝わってきます。本人からは「頑張りまーす!」と元気な言葉をもらっていますので、これからも頑張りを支えていきたいと思います。
チームステーションの奥にある科長デスク。
管理業務に奮闘!
回復期リハ病棟では、日々変化する患者さんに
対するチームでの情報共有は欠かせません。