当院では、毎年、新卒の介護系大学、介護福祉士養成校の学生さんを対象にインターンシップや院内説明会を開催しております。しかし、今年度はコロナ感染症のため、様々な制限や配慮が必要な状況です。そんな中ですが、病棟担当者は気合十分!「コロナ禍でも何とか病院介護の現場を伝えたい」と例年にないプログラムを組み、学生さんをお迎えしました。
開催当日は、介護界の将来を担う学生さんに、自分たちの介護に対する様々な"思い""考え"、そして『介護観』を熱く伝え、介護の技である様々な生活支援技術を披露していました。
遠藤さん(4階東療養棟・写真右)による食事介助
熱心に介護を語る2階西病棟 北村さん(写真左)
リフターの準備をする3階東病棟 浅井さん(写真左)
当午後は特別プログラムとして「らくらく介護技術体験会」を実施しました。現場で求められる"お互いに負担のない介護技術""抱え上げない介護"を現場のスペシャリストである滝口さん(4階西病棟所属)に移乗介助の技を披露してもらいました。
「体重差○○キロ!?」
限られた時間、プログラムではありましたが、病院で働く介護福祉士の魅力を知っていただく良い機会となりました。今回、参加いただいた12名の学生さん。ありがとうございました!!
※参加者およびスタッフには写真公開の同意と許可を事前に得ております。
摂食嚥下障害看護認定看護師 加藤 久美子
去る10月3日、ラダーⅡ以上の職員を対象に専門看護師・認定看護師が「トータルケア研修」という研修を行いました。その中の1コマを担当し、上記をテーマにとろみについて講義や演習を実施しました。
当院ではとろみの使用者が多く日常的に使用していますが、職員自身が体験する機会はあまりありません。そこで、改めてとろみについて見直すきっかけになればいいなと考え、研修を企画しました。
研修ではラインスプレッドテスト(とろみのついた溶液が一定時間に広がる距離をみることによってとろみの程度を数値化する方法)を行い、当院のとろみの分類が合っているか確認を行いました。中間のとろみは若干の違いが出ましたが、薄いとろみと濃いとろみに関しては誤差がないことが確認できました。またダマを作り、それも判定しましたが中間のとろみが薄いとろみより値が大きくなりました。
受講者からは「少しぐらいのダマは大丈夫かと思っていたけど、こうして数値で確認すると誤差が大きいのが分かり、きちんと規準通りにとろみを作ろうと思いました」との感想がありました。
さらにペットボトルのお茶3種類にとろみをつけ、飲み比べを行いました。同じ緑茶でもとろみがあると味に違いが出て、飲みやすい、飲みにくいお茶が分かりました。「とろみ自体がおいしくない。患者さんは毎日飲んでいるため、辛さが分かった」と発言する受講者もいました。
毎日使用するとろみだからこそ、安全に患者さまに提供できるように研修の学びを活かしてくれることを期待しています。
※スタッフには写真公開の同意と許可を事前に得ております
4階西病棟は、長期療養の患者様が入院されています。そのため、拘縮や骨粗鬆症等により骨折するリスクを持っている方も多くおられます。
そこで、今回は「骨折をさせないために」というテーマで勉強会を行い、事例を基に講義と実技指導を受けました。拘縮のある患者様に対して、どうアプローチすれば無理のない介助が行えるか、指の拘縮に対して無理なく開く方法などを詳しく学びました。
患者様への対応について講義中(1)
患者様への対応について講義中(2)
拘縮のある患者様への対応を実技指導中
(左:患者役の職員、右:実技指導する理学療法士)
患者様の移乗用具の説明を受け、体重の重い患者様や介助者の負担を軽減するリフターを使用する際の注意点等の再確認を行い、体験しました。
リフター体験中
参加者からは、「福祉用具については、患者様に合わせたものの選定、活用が必要。多職種で連携を図り、病棟全体での安全・安楽についての検討が大切だと感じた。リフターは、使用方法によっては大事故に繋がるので慎重に操作する必要があると学べた。勉強会は貴重な学習の機会になった。」と感想がありました。
※スタッフには写真公開の同意と許可を事前に得ております。