鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
【看護部長ブログバックナンバー】
当院で7人目になる「特定行為研修修了看護師」は、現在活躍中の先輩たちより習得する行為数が増えています。先日、その特定行為実践を見学する機会がありました。
特定行為は「PICC(ピック)挿入」。PICCとは、「末梢留置型中心静脈カテーテル」のことで、腕の静脈から挿入する中心静脈カテーテルです。他の中心静脈カテーテルと比べて比較的簡単に挿入でき、挿入後の感染のリスクが少ない、長期間にわたって使用できる等のメリットがあります。
すでに習得している看護師とペアを組み、医師も確認に来てくれました。はじめにエコーで血管を確認し、そして清潔操作でカテーテルを挿入していきます。高齢者は血管が細く、難しい事例も珍しくありません。そんな患者さんだからこそ、看護師が実施する意義は深いとあらためて感じる場面でした。これからも患者さんのために活躍してくれることを期待します。
看護部では一部の職員が秋に異動します。主な対象者は、新人として入職して1年半を迎えるクリニカルラダー教育レベル『フレッシャー』に位置する職員です。この異動の目的は、『これまで経験が少ない(あるいは経験していない)技術や知識を、機能の異なる病棟で習得すること』です。
そんなフレッシャーさんたちの上半期の教育研修テーマは「ケア実践」です。導入から始まり、実践道中その①、その②、そして集大成としての発表会がGOALになります。取り組む事例を決めたらICFに基づく情報整理、ケア計画立案、実施、評価、考察までまとめます。提出締め切り日が近づくと、例年みんなの顔が青ざめてきますが(汗)、その努力の成果は発表会で大いに発揮されています。
「意識レベル向上にむけての関り」、「望む自宅退院への看護~欲求段階に目を向けて~」、等々、聞いているだけで患者さんの様子やそれぞれの関りがイメージできたすばらしい発表会でした。事例発表を通してあらためて振り返った「大切にする看護観・介護観」を大事にしながら、異動先の病棟でさらに成長していってくださいね。
鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
【看護部長ブログバックナンバー】
当院では5月から11月までに使える「夏休」が4日あります。まとめてとってもよし、ばらばらにとってもよし、そこに年休をくっつけて「リフレッシュ休暇」にする職員も多くいます。ここ2-3年はコロナの影響で帰省や旅行は控えていましたが、コロナが5類になって初めての夏、今年は「みんな動いている」という印象です。そして、その恩恵を受けて(?)、いくつかのお土産を頂きました。
今回「豆知識」になったことは、「南部せんべい」にまつわることです。青森に帰省したお土産でしたが、パッケージには「岩手名物」と書かれている・・岩手市を中心とした「旧南部領」発祥のせんべいといことです。そして、両県のいずれかに、一戸(いちのへ)から九戸(くのへ)までがあると教わりました(「戸」は「〇〇地区」や「〇〇地方」という意味)。お土産を通じて知識を得られるなんて、「おいしい+賢くなる」の一石二鳥!みんなのそれぞれの思い出を想像しながら、おいしくありがたくいただきました。
鹿児島に帰省した加藤科長のお土産は
「かすたどん」。
青森に帰省した大友科長のお土産は
「オランダせんべい」。山形銘菓だけどね(笑)
青森に帰省した下田科長のお土産は
「南部せんべい」。
一戸(いちのへ)から九戸(くのへ)地方の豆知識も一緒にいただきました!
金沢の「烏骨鶏カステラ」、山梨の「桔梗屋信玄揚げ饅頭」等々。
看護部では「尊厳ある排泄ケアを推進する」ことを目的に、10年以上前に「看護部排泄ケア検討委員会」が立ち上がりました。それが院内の委員会に発展し、一昨年からは「排泄ケア委員会」を上部組織とする「排尿支援委員会」と「排便支援委員会」が活動を始めました。排尿支援員会では各種チェック表やマニュアルの作成、勉強会等を行い、排尿自立に向けたシステムを整えます。そして、個別の問題や困難事例に対しては、排尿ケアチームが介入します。
排尿ケアチームは、医師、研修を受けた看護師、看護師、理学療法士から構成され、尿道カテーテル留置に関連する尿路感染・合併症の予防と、抜けるカテーテルは早期に抜去しその人らしい排尿自立の方向に導いていくことを目的に活動しています。週に1回、組織横断的に院内をラウンドし、今年度は4月~8月末までに130件以上のラウンド実績があります。患者さんのADL向上、苦痛の除去、尿路感染の減少等々、多くの成果がみられており、これからもさらなる活躍が期待されます。
ラウンドでは、現場に行ってまずはチームで打ち合わせ。
そのあとに病棟看護師から状況の報告を受け、方向性をディスカッション。
そして実際に泌尿器科医師が診察し、アセスメント。
患者さんにとって最良と考える方法を選択します。
鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
【看護部長ブログバックナンバー】
7月に副主任研修が開催されました。看護部では現在、看護師11名、介護福祉士8名の副主任が活躍しています。副主任が一堂に集まる場は普段はないために、副主任研修は同じ立場で話せる貴重な機会です。
今回の研修目標は、「副主任としての役割を理解し、患者の思いを引き出すことができる職員の育成に役立てる」としました。業務効率化が進む中で患者さんの個別性を置き去りにしていないか、ケア度が高くなっても安全安心が担保されているか等、看護師・介護福祉士の原点に立ち返って考えてほしいという願いがありました。
前半は各グループで場面を設定し、「寄り添わない職員・寄り添う職員」をロールプレイで表現、後半は「その人らしさを支える」を目標にマンダラチャートに取り組みました。ロールプレイでは患者役があまりにもリアルで、すっかり引き込まれました(笑)。振り返りでは、'患者の思いにあらためて近づき、自分たちの行動や言動を考えることができた'という言葉もあり、忙しさの中でも大切にしていくことを立ち止まって考える時間になったと思います。 皆さん、これからもご活躍くださいね。
ロールプレイ場面(1)
(左)寄り添わない介護福祉士、(右)寄り添う介護福祉士。目線があっています。
ロールプレイ場面(2)
(左)寄り添わない看護師、(右)寄り添う看護師。言葉かけ、物腰がやわらかいです。
ロールプレイ場面(3)
車いすに座った患者役があまりにも上手で、本日の主演男優賞!(笑)
大谷翔平選手が使っていたことで注目されている目標達成シート(マンダラチャート)に真剣に取り組み中。
7月に「高校生の1日看護体験」を実施しました。看護に関心のある高校生を対象に、実際の看護の場を体験して健康や看護に対する関心を高めてもらうとともに、将来看護職を目指すきっかけにしてもらいたいというイベントです。今年度はそれぞれ違う学校から4名の学生さんが参加してくれました。回復期リハ病棟と障がい者・難病リハ病棟に分かれて、バイタルサイン測定や移送、薬剤準備の体験ほか、実際に患者さんともコミュニケーションを図ってもらいました。
朝はとても緊張していた様子でしたが、ユニフォームに着替えたら「本物の看護師になった気持ち」に変わり、さまざまに見て、感じてくれたようです。最後は'まきちゃん'との記念撮影もあり、笑顔で1日を終えていただくことができました。ぜひ、看護師を目指していってくださいネ。
「懸濁薬剤の準備」を体験中。
鈴木院長からも一言。緊張・・。
車いす体験。患者役になるとスピードや凹凸感が理解でき、移送も注意点がたくさんあることを感じることができました。
最後は'まきちゃん'と記念撮影。みんなの笑顔がキラキラしてます!