鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
【看護部長ブログバックナンバー】
11月は年間において院内研修が一番多い月で、数えてみると13個の研修が実施されていました。
ラダーⅠ・ハーフは「5つの心 実践発表会」。看護部理念の「5つの心―聴く・思いやる・寄り添う・観る・考える」を表現しています。その5つの心を土台に情報をまとめ、患者さん'個'にとっての最善のケアを考え、実践、そして振り返るという事例発表会です。介助量の多い患者さんの退院支援や進行性疾患の患者さんへの関り等々、1人1人の大切な事例が発表されました。
ラダーⅢ・Ⅳのケーススタディでは、複雑な状況をもつ患者さんに対して、多職種、地域連携で関わった事例が発表されました。
さまざまな発表を聞き、ラダーレベルが上がると視野が広がり、経験を積み重ていく様子を感じました。
仕事をしながら事例をまとめていくことは大きな労力を要しますが、必ず自分の糧となり次の看護・介護につながります。その力を信じて、これからも取り組んでいってほしいと思います。
11月に実施された研修
ラダーレベル |
内容 |
新人 |
医療安全(骨折/倫理)、BLS・AED、エンゼルケア |
フレッシャー |
褥瘡・スキントラブル/倫理基礎知識 |
ラダーⅠ |
ACLS(2次救命処置) |
ラダーⅠ・ハーフ |
5つの心実践発表会 |
ラダーⅡ |
論理的思考・事故要因分析のプロセス発表会、研究(ファーストステップ・セカンドステップ) |
ラダーⅢ・Ⅳ |
(合同)ケーススタディ発表会 |
メディカルアシスタント |
介護計画の評価 |
12月のイベントといえば「あかりの夜」。これまでは'その時間'だけで終わっていましたが、その時間に見に来ることができない患者さんにも楽しんでもらいたいという思いから、今年は運営方法を変えることにしました。
「点灯式」のあとは10日間ですが、イルミネーションを楽しむことができます。雪だるまや小さめのサンタ(笑)がお待ちしておりますので、多くの患者さんが見に来てくださるといいなと思います。
鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
【看護部長ブログバックナンバー】
マネジメントラダーとは、管理者が管理を実践していくために必要とされる能力を明文化したものです。当院では2021年度から、構成を6領域(目標管理、人間関係能力、看護と介護の質評価、倫理、人材育成・自己啓発組織連携)、レベルを4段階としてマネジメントラダーの運用を開始しました。年度末に管理実践報告書や評価表等を提出し、審査会でラダーレベルを決定します。
今年度の研修テーマは、6領域の中で自己評価が低い、あるいは苦手と感じている人が多かった「組織連携」と「目標管理」の2つとし、どちらかに参加してもらいます。今回の研修は「組織連携」。'スペシャルゲスト'として鈴木院長、木村リハ部長を迎え、社会と病院を取り巻く状況、秦野市(地域)の状況、今後当院が目指すこと、リーダーの在り方等々、そして私からは組織のこと、多職種連携で必要なワザ等をお伝えしました。ワークでは、副主任、係長、科長が会するグループで、「三喜会の理念達成のためにどのようにリーダーシップを発揮していくか」を話し合いました。
「自分たちに求められていることは何か?」とマネジメントラダーを意識した本質に迫る意見交換もあり、今日の研修が管理能力を高めていく一助になればと思います。'ぎゅうぎゅう'に詰め込みましたので(笑)、皆さんゆっくりお休みくださいね。
今年は秋になっても'夏日'が目立ち、市中では半そでの人も。かと思えば、インフルエンザやコロナは増加傾向。人が自然環境と上手につきあっていく方法を試されているように感じます。こんな状況で気づかずに冬を迎えそうなので、秋の日常を回想しました。
鶴巻温泉病院 看護部長 小澤 美紀
【看護部長ブログバックナンバー】
当院で7人目になる「特定行為研修修了看護師」は、現在活躍中の先輩たちより習得する行為数が増えています。先日、その特定行為実践を見学する機会がありました。
特定行為は「PICC(ピック)挿入」。PICCとは、「末梢留置型中心静脈カテーテル」のことで、腕の静脈から挿入する中心静脈カテーテルです。他の中心静脈カテーテルと比べて比較的簡単に挿入でき、挿入後の感染のリスクが少ない、長期間にわたって使用できる等のメリットがあります。
すでに習得している看護師とペアを組み、医師も確認に来てくれました。はじめにエコーで血管を確認し、そして清潔操作でカテーテルを挿入していきます。高齢者は血管が細く、難しい事例も珍しくありません。そんな患者さんだからこそ、看護師が実施する意義は深いとあらためて感じる場面でした。これからも患者さんのために活躍してくれることを期待します。
看護部では一部の職員が秋に異動します。主な対象者は、新人として入職して1年半を迎えるクリニカルラダー教育レベル『フレッシャー』に位置する職員です。この異動の目的は、『これまで経験が少ない(あるいは経験していない)技術や知識を、機能の異なる病棟で習得すること』です。
そんなフレッシャーさんたちの上半期の教育研修テーマは「ケア実践」です。導入から始まり、実践道中その①、その②、そして集大成としての発表会がGOALになります。取り組む事例を決めたらICFに基づく情報整理、ケア計画立案、実施、評価、考察までまとめます。提出締め切り日が近づくと、例年みんなの顔が青ざめてきますが(汗)、その努力の成果は発表会で大いに発揮されています。
「意識レベル向上にむけての関り」、「望む自宅退院への看護~欲求段階に目を向けて~」、等々、聞いているだけで患者さんの様子やそれぞれの関りがイメージできたすばらしい発表会でした。事例発表を通してあらためて振り返った「大切にする看護観・介護観」を大事にしながら、異動先の病棟でさらに成長していってくださいね。