感染管理認定看護師 三橋 奈美江
今年度より、感染管理認定看護師教育課程の実習の受け入れを2校に増やしました。理由は、コロナ禍で急性期病院がひっ迫し、実習受け入れが難しいこともあり、母校への恩返しができればと思ったからです。
昨年度は、実習が開催されなかったため久しぶりの実習指導でした。指導をしながら思ったことは、自身の成長や全く分からないまま突き進んでいたことで、今思えばヒヤリとする場面もあったということです。
当院の特長である温泉の管理や地域連携カンファレンスなど、様々な場面を学んでいただけたのではないかと思います。研修生の今後の活躍を期待しております。
また、感染に興味を持ってくれているリンクナースから、今後、感染管理認定看護師を目指してくれる人が現れるのを期待しています。
摂食嚥下認定看護師 加藤久美子
2020年度、回復期病棟の経口回復率は52.1%で、2019年度の63.3%より低下しました。嚥下障害の重症割合が34%から41%と増えたことも要因と考えられます。しかし、嚥下障害の軽症例だけをみると経口回復率が80%から65%に低下したことを不思議に感じました。3食経口摂取に至らなかった主な理由は「食べない」ことでした。経口では十分なカロリーや水分が摂取できず、代替栄養を行ったまま退院に至っていました。
「なぜ食べないか」は主に認知症の患者さまが食べることを拒否していることでした。今までも認知症の患者さまの嚥下障害へのアプローチを行ってきています。それなのに「なぜ食べないか」を考えてみると、新型コロナウイルスが影響しているのではないかと思いました。
コロナ禍になり、面会禁止となったことで、家族が食事場面に付き添ったり、患者さまの好きな食べ物を持ってきてくれたりしていたことがほとんど無くなりました。認知症の患者さまは環境の変化による影響を受けやすく、家族などの顔馴染みの関係にある方がいることで安心します。不安なまま病院生活を送っていたことが「食べる」ことに影響を及ぼしていたと推察しました。今更ながら家族の力は大きいことを実感しました。またソーシャルディスタンスを保ち、アクリル板を使用して黙食をしている環境も認知症の患者さまには理解しがたいことだと思いました。
現在も面会禁止が継続しています。家族には変われないけれど、職員が顔馴染みの関係性を作り、「食べる」ことへの手助けになればいいなという思いと早くコロナが収束して楽しく食べられる環境になるといいなと願っています。
第1回 機能別病棟勉強会を開催しました
リハビリテーション看護を極める ~高次脳機能障害の看護!!~
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 岩川彰子
2021年度看護部目標「生活の質を豊かにする看護・介護実践」を目指し、機能別病棟機能の特徴を学べる勉強会を開催することになりました。
当院の回復期リハビリテーション病棟では、脳卒中・頭部外傷等の疾患を有する患者さまが、7割程度入院されています。その様な中で、スタッフから難しいと感じているとの意見が多かった「高次脳機能障害の看護」を今回のテーマに取り上げました。
時間外での開催となるため、業務後の疲労感を引きずらないよう、はじめにストレッチを行い笑顔と元気をプレゼン!!現場の忙しさから少し離れて、一緒に楽しく学べる勉強会を目指しました。
前半は高次脳機能障害の概要と注意障害についての講義を行い、後半は、注意障害のテストを実施しました。患者さまの気持ちを振り返る内容で構成し、高次脳機能障害の世界を想像することによって、困っている患者さまへの看護実践を具体的にイメージできる様に進めました。最後に、回復期リハビリ病棟の看護師に期待されている役割をふまえて、脳卒中看護認定看護師としての熱いメッセージを送り、笑顔で終了となりました。
これからも気軽に相談ができる認定看護師として、現場の看護実践に役立つ勉強会を企画していきたいです。