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- 2017年
パーキンソン病の栄養管理 ~管理栄養士という立場から~
今回は、パーキンソン病の栄養管理をテーマにお話ししたいと思います。
パーキンソン病は病気の進行とともに現れる「手の震え(不随意運動)や筋肉のこわばり(固縮)」などの特徴的な症状から、通常より多くのエネルギーを消費します。そのため、患者様の中には「運動量は減ったのに痩せてしまった。」「食べる量は変わっていないのに痩せてしまった。」という方が多くいらっしゃいます。
そこで、当病棟では他院で考案された「パーキンソン係数(*)」を参考にしてエネルギー設定を行っています。症状の程度に応じて独自の係数を乗じることにより、エネルギーを補う栄養管理の方法です。
入院期間中は、入院時に設定した必要栄養量が今の症状にあっているか、毎月、神経内科の医師と管理栄養士の2名でパーキンソン病の患者様のもとへ伺い、症状の聞き取り、触診をもとに見直しを行っています。また、体重の変化や食事がどのくらい食べられているかを定期的にみることで、エネルギー消費量とエネルギー摂取量の出納を確認しています。
患者さまとお祭りに向けて作品作り
障がい者難病リハビリ病棟では、レクリエーションスタッフやボランティアスタッフが、患者様が楽しめるような様々な作業活動を提供しています。作品作りを通して、他者と関わる時間が増えたり、季節感を感じることが出来たり、自分の作った作品を誰かにプレゼントすることで達成感に繋がります。
コスモス祭という病院のお祭りで患者様の作品を展示・販売したためその内容を報告します。コスモス祭は、当院で年一回開かれるお祭りです。ボランティアによる演目やスタッフによる屋台、患者様が作った作品の販売・展示などを行います。今回、障がい者難病リハビリ病棟では、患者様の作品販売として「タッセル」を作りました。
「伝の心」で記されたALS闘病記について
「ジュウマンブンノイチ ダメ親父のALS闘病記」は、鶴巻温泉病院の障がい者・難病リハビリ病棟に入院された、ペンネーム 「ジュウマンブンノイチ」さんが病気を発症した2014年からの闘病生活を「伝の心 (でんのしん)」を使って連載されたコラムです。辛いこともありますが、それに負けずに、時にはユーモラスに描かれています。
「ジュウマンブンノイチ ダメ親父のALS闘病記」目次
ジュウマンブンノイチ ダメ親父のALS闘病記「まえがき」
まえがき
まず初めに なぜこの手記を書こうと思ったかについて。入院中ただ漠然と毎日を過ごしていた時、伝の心というツールを手に入れることが出来ました。使っていくうちに、そうだ記憶が失せる前に今までのことを書いてみようと思ったのです。
ジュウマンブンノイチ ダメ親父のALS闘病記 2014
2014年 4月 始まり
今思えばこれがこれから起こるであろう想像を絶する生活の始まりではなかったのではないかと思う。
朝起きたときに伸びをすると、今まで味わったことがない痛みを伴って両足がつった。何日か続いているうち思いっきり伸びをしなければ痛みがMAXにならないことに気付き、毎日気を付けて起きるようになる。
仕事のせいで忙しすぎたからと、自分に言い聞かす。
ジュウマンブンノイチ ダメ親父のALS闘病記 2015
2015年 1月 筋萎縮性側索硬化症
入院での検査も終わり結果を聞くため個室に呼ばれた。血液、髄液、二酸化炭素量など問題ないらしい。ホッとするどころか嫌な予感しかしなかった。
運動ニューロンの病気ですねと言われた。病名はと尋ねると、病名を付けるとするならば筋萎縮性側索硬化症でいいでしょうと言われた。すなわちALSだ。あきれて涙も出なかった。宝くじも当たったこともないのに十万人に一人の難病、こんなものばっか当たらないでよと思った。
仕事はどうするの、住宅ローンだってやっとあと二年まで来たのにとDrに食って掛かってみたもののどうにかなるものでもなかった。これからの過ごし方などを説明していたと思うが、頭の中が真っ白になりよく覚えていない。確かとろみがついたものを食べるようになるとか、今すぐどうこうなる病気ではないので人生の終い支度をしなさいとか言われたようだ。この言葉の意味は一年後、思い知らされることとなる。