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- 障がい者・難病リハビリ病棟スタッフコラム
- 2018年
2階東病棟の勉強会
2階東病棟の勉強会をご紹介します。2階東病棟では様々な勉強会をスタッフが企画し実施しています。
2018年7月は「透明文字盤の使い方」でした。2階東病棟では主に神経難病の患者さまが入院されています。中にはこの透明文字盤を使用し、視線と瞬きでコミュニケーションを図っている患者さまもいます。
透明文字盤
透明文字盤とは、50音や数字などが書かれた透明の板を通して、患者さまとスタッフ(読み手)が視線を合わせて合図することで文字を拾い、文章を組み立てていきます。透明文字盤の種類も様々ありますが、今回の勉強会は、50音の文字盤で実施しました。セラピストの協力も得て、約30名の参加がありました。
病院から地域へ 医療ソーシャルワーカー
障がい者・難病リハビリ病棟では、リハビリ目的、在宅サポート入院(レスパイト入院)、長期療養目的で入院をされている方がいます。リハビリ、在宅サポート入院(レスパイト入院)目的で入院をされている方は一時的な入院であり、入院生活が終わると、住み慣れた地域での生活を再スタートされます。
地域での生活を開始する前に必要なことが、地域との連携です。在宅生活をする中で介護保険や障害福祉サービス等の社会資源サービスを利用する場合には、在宅関連機関(かかりつけ医師・ケアマネジャー・訪問看護・ホームヘルパー・福祉用具等)との連携がかかせません。
重度訪問介護を利用した入院中の外出
2018年の4月より国の制度として、重度訪問介護を利用した入院中の外出が可能となりました。
当病棟でも、重度訪問介護を利用し、週に1度、近隣散策や公共交通機関を利用した外出、買い物などを楽しまれている方がいます。
今では「今度はみんなに会いに行きたい」「海を見に行きたい」など、少しずつ外出範囲が広がってきています。そのため、今後も患者様の社会参加が促せるよう支援していきたいと思います。
重度訪問介護を利用し外出(買物)
※患者様の同意を得て写真を掲載しています。
薬剤科「簡易懸濁法について」
今回はお薬を胃瘻や経鼻経管から入れる方法である簡易懸濁法(かんいけんだくほう)についてご紹介します。
従来は散剤や錠剤の粉砕したものを水やお湯に溶いてチューブから入れる方法が行われてきました。ですが、この方法はチューブが詰まったり、錠剤やカプセル剤を粉砕する時にご家族やスタッフが吸い込んでしまったり、安定性が悪くなったりと色々な問題点がありました。そこで錠剤やカプセルを粉砕せずにそのままシリンジに入れ、約55℃の温湯で溶かし経管投与する簡易懸濁法が考案されました。
「噛む・飲み込む」が困難な方への栄養食事相談
障がい者・難病リハビリ病棟を担当している、管理栄養士の柴です。
栄養科では入院中や退院後の食事についてご不安がある患者様・ご家族に向けて、栄養食事相談を行っています。今回はその一例として、噛む力・飲み込む力が弱っている方に向けた栄養食事相談についてご紹介させていただきます。
栄養食事相談の様子
パーキンソン病の睡眠障害と治療|第3診療部 中島 雅士
パーキンソン病では運動障害に加えて、さまざまな睡眠障害が病初期から進行期までにしばしば認められます。不眠、レム睡眠行動異常症、夜間頻尿、下肢静止不能症候群(むずむず脚症候群)、周期的四肢運動症、睡眠時無呼吸、などさまざまな種類の睡眠時異常が単独に、または組み合わさって起こることで睡眠が障害されます。
それぞれの睡眠障害については後に簡潔に述べますが、パーキンソン病において最も多く報告されている障害は断続的睡眠、すなわち、まとまった深い睡眠が得られず、睡眠がしばしば中断されるという現象で、パーキンソン病患者の40%にみられたと報告されています。この断続的睡眠はパーキンソン病の初期からみられ、病期が進むにつれて頻度が増します。
その原因にはまたさまざまな要因がありますが、特に運動症状(動きにくさ)の夜間または早朝における増悪、パーキンソン病に固有の痛み、むずむず足症候群、睡眠時無呼吸、抑うつ状態、夜間頻尿などが重要な原因であると考えられています。