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患者様同士の交流を深める取り組み
当病棟では、患者様の希望に合わせて、患者様同士の交流を支援しています。筋萎縮性側索硬化症や多系統萎縮症、気管切開術後の脊髄損傷患者様など、発話でのコミュニケーションが困難となる場合、代償手段を使ってコミュニケーションをとります。
今回の交流会ではスタッフが間に入り代償手段の一つである透明文字盤を使用し、患者様それぞれの自己紹介や趣味、病気の経過、今後のことで心配に思っていること等を語り合いました。
参加された患者様からは、「同じ病気の人と初めて会えた」「すごく励まされて、心のリハビリになりました」との感想を頂きました。同じような問題を抱えた人との出会いや語り合いは、問題を持っているのは自分だけではないことや互いに助け合えることを知るきっかけになります。
感染予防のため少人数で短い時間での交流会でしたが、語り合うことで、一緒に泣いたり笑ったり穏やかな時間が流れていました。患者様の笑顔を引き出すためにも、これからも患者様同士の交流を支援していきたいと思います。
※患者様・スタッフ共にマスクを着用し、少人数で距離を空け、感染対策を徹底しています。
コロナ禍での夏祭りイベント開催
2階東病棟では8月下旬に病棟内での夏祭りイベントを開催しました。
例年であれば9月に当院のお祭り「コスモス祭」を開催していますが、今年は新型コロナの感染拡大を防ぐため、「コスモス祭」は中止となりました。スタッフ間でも「夏を感じることができるイベントがないのも残念だね」「なにかできることはないかな!」という話になり、ソーシャルディスタンスを確保し感染予防の対策の下で花火大会の上映を実施する運びとなりました。
花火大会は毎年2階東病棟で行っていますが、今回の花火大会では家族と一緒に観たり、感想を話しながら観る事が出来ません。そんな中でも、患者様は季節感のある行事を通して「良かったわ♪季節を感じられるのは良いことね」と嬉しそうな様子でした!
↓写真は実際の様子です!
ソーシャルディスタンスとマスクを着用し準備万端です!
リハビリテーション「車椅子はただの移動手段?」
車椅子と聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか?車椅子=移動手段と考えられている方も少なくないと思います。今回は車椅子について話をしたいと思います。
車椅子には背もたれが倒れるものや座面ごと後ろに倒れるもの、呼吸器を載せられるものなど様々なものがあります。当病棟では患者様の健康状態や活動性に合わせて車椅子を選定しています。
当院で使用している車椅子の一部
リハビリテーション「生活の質の評価」
当病棟では患者様の生活の質を評価するために、シーコール(Schedule for the Evaluation of Individual Quality of Life:SEIQoL )という評価を実施しています。
SEIQoLは世界各国で使われている生活の質の評価方法です。面接で個人の生活の質を決定する最も重要な5つの領域を聴取し、それぞれの領域の満足度(レベル)、重要性を評価します。患者様によって生活の中で大切にしている領域が異なるため、患者様が大切にしている領域を聴取し、患者様一人一人に合った支援を行うようにしています。
ある患者様の5つの領域
ナースコールの調整~安心して入院生活が送れるように~
障がい者・難病リハビリ病棟には、病気の進行により、普通型ナースコール(図1)を押すことが難しくなる患者様が多く入院されています。作業療法士は患者様の状態に合わせてナースコールの検討・調整を行っています。
普通型のナースコールを押す事が難しい患者様には大きな押しボタンスイッチを設置しています。また、手足を動かすことが難しい患者様には息や声、触れることでナースコールを押すことができるマルチケアコール(図2)などを設置しています。患者様・ご家族様からは「こんなものがあるのね!」「自分で押せるナースコールがあると安心」といった感想を頂いています。
患者様・ご家族が安心して入院生活を送れるよう、今後も患者様の状態に合わせてナースコールの検討・調整を行っていきます。
図1:普通型ナースコール