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鶴巻温泉病院 〒257-0001 神奈川県秦野市鶴巻北1-16-1 TEL 0463(78)1311

障がい者・難病リハビリ病棟スタッフコラム

病棟紹介 障がい者・難病リハビリ病棟の最新情報や取り組みをお伝えしています。

認知症と「記憶」  第3診療部 中島 雅士

2019.01.30

 認知症の病名を告げられた時、その当人と家族はどのように受け止めるでしょうか。

 認知症に関する報道やテレビ・ドラマは、その多くは患者が徐々に社会的に孤立していく悲観的な内容のものです。残念ながら、これは多くの患者と介護者にとっての現実です。現在、認知症の進行を防ぐ有効な治療法がなく、健康な暮らしを続けることができなくなるという通念によって、病的な物忘れの徴候が初めて明らかになった時、患者または介護者は不安にさいなまれるでしょう。

 しかし、認知症患者は本当に残された人生を楽しく送ることはできないのでしょうか。「残された人生を楽しく送る」鍵は、代表的な認知症であるアルツハイマー型認知症で、最も早くから障害される「記憶」について理解することにあります。

 認知症を患う方の記憶に関して最も重要な特徴は、新しい内容を覚えられない、ことにあります。あなたが認知症患者と接するときに、新しい情報を覚えるような要求をやめることで、患者とのコミュニケーション困難による多くの問題は解決します。

 具体的には、

  1. 質問しない。
  2. 患者から認知症について学ぶ。
  3. 患者の話す内容に同意する。決して反論を述べない。

2階東病棟の勉強会

2018.12.22

 2階東病棟の勉強会をご紹介します。2階東病棟では様々な勉強会をスタッフが企画し実施しています。

 2018年7月は「透明文字盤の使い方」でした。2階東病棟では主に神経難病の患者さまが入院されています。中にはこの透明文字盤を使用し、視線と瞬きでコミュニケーションを図っている患者さまもいます。


透明文字盤

 透明文字盤とは、50音や数字などが書かれた透明の板を通して、患者さまとスタッフ(読み手)が視線を合わせて合図することで文字を拾い、文章を組み立てていきます。透明文字盤の種類も様々ありますが、今回の勉強会は、50音の文字盤で実施しました。セラピストの協力も得て、約30名の参加がありました。

重度訪問介護を利用した入院中の外出

2018.09.30

2018年の4月より国の制度として、重度訪問介護を利用した入院中の外出が可能となりました。

当病棟でも、重度訪問介護を利用し、週に1度、近隣散策や公共交通機関を利用した外出、買い物などを楽しまれている方がいます。

今では「今度はみんなに会いに行きたい」「海を見に行きたい」など、少しずつ外出範囲が広がってきています。そのため、今後も患者様の社会参加が促せるよう支援していきたいと思います。

重度訪問介護を利用し外出 車いす

重度訪問介護を利用し外出している様子 買い物
重度訪問介護を利用し外出(買物)
※患者様の同意を得て写真を掲載しています。


パーキンソン病の睡眠障害と治療|第3診療部 中島 雅士

2018.04.26

 パーキンソン病では運動障害に加えて、さまざまな睡眠障害が病初期から進行期までにしばしば認められます。不眠、レム睡眠行動異常症、夜間頻尿、下肢静止不能症候群(むずむず脚症候群)、周期的四肢運動症、睡眠時無呼吸、などさまざまな種類の睡眠時異常が単独に、または組み合わさって起こることで睡眠が障害されます。

 それぞれの睡眠障害については後に簡潔に述べますが、パーキンソン病において最も多く報告されている障害は断続的睡眠、すなわち、まとまった深い睡眠が得られず、睡眠がしばしば中断されるという現象で、パーキンソン病患者の40%にみられたと報告されています。この断続的睡眠はパーキンソン病の初期からみられ、病期が進むにつれて頻度が増します。

 その原因にはまたさまざまな要因がありますが、特に運動症状(動きにくさ)の夜間または早朝における増悪、パーキンソン病に固有の痛み、むずむず足症候群、睡眠時無呼吸、抑うつ状態、夜間頻尿などが重要な原因であると考えられています。

神経難病の治療と病棟の役割|第3診療部 中島 雅士

2017.08.06

今回のスタッフ・コラムでは、神経難病の治療と、その治療におけるわれわれの障害者・難病リハビリ病棟の役割について説明します。神経難病にはいくつかの種類がありますが、その多くは成人してから発症し、しゃべる、食べる、歩く、排泄する、などの日常生活に必須の機能が徐々に害(そこな)われていきます。

病気の始まる年齢も疾患によって異なりますが、早くは30歳代から、遅い場合でも60歳代に始まることが多く、日常生活だけではなく、仕事や今後の人生設計についての見直しを迫られます。


初期神経難病の診断と治療

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 神経難病の診断は難しいものではありません。経験を積んだ神経内科医であれば、病気の経過を尋ねること(病歴聴取・問診)と身体所見の診察(神経学的診察)で、たとえ疾患の初期であっても80%以上の確率で診断できます。補助診断として核磁気共鳴画像検査(MRI)、脳代謝・血流検査(PETまたはSPECT)、筋電図、各種自律神経機能検査などがあり、これらの結果を総合して薬物をはじめとする治療方法を選択します。

 しかし、神経難病を患う方々が求めることは、その診断名と治療だけではなく、自分の病気がどのような経過をたどり、その過程で現われてくる障害にどのように対処し、あるいは障害を受け入れてよりよい人生を送っていくことにあると思います。

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