blog_28 工夫をしましょう。 2011年上期病院賞
あっという間に1年が過ぎようとしています。皆さん今年も大変ご苦労様でした。 今年は震災、原発事故に始まり、日本にとって何百年に一度の大変苦しい年でした。でも悪いことばかりではなく、我慢強く思いやりに富む日本人の行動は世界に賞賛と尊敬の念を与えました。日本人は新しいことを生み出すことはそれほど得意ではありませんが、あるものを「工夫」して、使いやすく進化させることは大変得意です。これからも得意な「工夫」と、賞賛に値する忍耐・思いやりで日本は必ず再生すると確信しています。
一方震災後の経済的不安感や周辺医療施設の整備によって鶴巻温泉病院も今までのように待っていれば患者さんが入院されるという状況ではなくなりました。これは今までと同じことをしていてはだめだということを示しています。
鶴巻温泉病院が患者さんに選ばれる病院になるためには、質の高い医療を提供することと、患者さまの入院中の満足度(QOL)を高めることが大切です。
医療の質を上げるには病院内外の勉強会や研究・発表が大切ですが、それを知ってもらうためにはクリニカルインディケーター(臨床指標)(2011年5月号)の公表やHPの利用に取り組む必要があります。患者さんの満足度を上げることは、患者さんの思いに寄り添った良い医療・看護・リハビリ(Care)を提供することが必要です。しかし、質の高い医療と患者さんの笑顔を実現するには職員のやる気と笑顔(QOL)がなければ成り立ちません。
一方患者さんに良いCareを提供することは、業務が増え、時間がかかるので、職員のワークライフバランスと一見相反するように見えます。でもそういう考え方や鶴巻の常識を捨てて下さい。業務を徹底的に見直して、重複や不要なことを排除してください。病院の滞留時間を減らしてください。色々な「工夫」の積み重ねで職員のワークライフバランスを高め、しかも患者さんのQOLを上げる方法を見出すことができます。
私が2年前に院長に就任した時に「変化を進化に、進化を笑顔に」をモットーにしました。どんな状況でも患者さんに選ばれる病院であり、高い稼動を維持できるように、変化を進化に結びつける皆さんの「工夫」の提案を待っています。提案は院長宛に送ってください。
blog_27 身体拘束廃止へ向けて
病院では治療上の安全や、転棟・転落を防ぐために、患者さんの腰ベルトや、手にミトン手袋をはめることがあります。これを身体拘束(抑制)といいます。でも当院の職員は身体拘束をしたいと思ってしているわけではありません。そのため当院では2008年に身体拘束廃止検討委員会ができ、身体拘束をなくそうと努力してきました。
2010年の委員会のアンケートでは、殆どの職員が身体拘束を受けている人の気持ちについて考えていました。また「車椅子等に縛る行為は当然だ」と思っている人はいませんし、60%の人が別の方法をとるべきだと考えていました。
blog_26 おいしく、楽しく食べて欲しい 病院賞候補者
退院された患者さんからのお便りに次のようなものがありました。
「入院時、体調が悪くミキサー食をお願いしていましたが、家庭ではできないくらい、品数や栄養バランスを考えてくださり、食べることが生きがいだった父にとってはとてもしあわせなことでした。」
患者さんにとって食べることは楽しみの一つです。できるだけおいしく、楽しめる食事を提供できたらと思っています。でも病状によっては口から食事を取れない患者さんもたくさんいらっしゃいます。栄養科ではそのような方にも症状に配慮しつつ、ご家族も一緒に楽しむ「おやつバイキング」や、刺身をガーゼで包んで食感を楽しんでいただいたり、口の中をさっぱりさせ食欲に繋げるためにレモン氷を準備したりして口から食べることを推進しています。
blog_25 お見舞いにいらっしゃいませんか?
平成23年度 鶴巻温泉病院の方針と目標(院長通信2011年第3号)に「①患者さんのQOL向上」があり、具体的目標が「病院へお見舞いに来る回数・人数を増やす」となっています。
患者さんにとってご家族やお友達がお見舞いに来てくださることはとてもうれしいことだと思います。なあ 6階のパティオで患者さんとご家族が楽しそうに過ごしていたり、足湯でご家族が患者さんの足を優しく洗っていたりしているのを見るのは嬉しいことです。
そこで今年の8月の2週間でお見舞いにこられた方の人数を調べてみました。
平日は250-300人、土日は350人前後の方がお見舞いに来られています。入院患者さんは570人前後ですから、随分大勢の方が見えています。
もちろんそれぞれのご事情があり、病院になかなかこられない方もいらっしゃいますので一概に良い悪いというわけではありません。それでも少しでも病院に来易い環境を提供できたらと考えています。
その一つの取り組みとして2011年3月から平塚駅と鶴巻温泉病院を結ぶ無料バスの運用を開始しました。愛称を募集して「つるまきシャトル」と呼んでいます。
当院の入院患者さんは平塚、大磯、鎌倉方面の方が30%程度いらっしゃいます。電車ナビで調べてみると平塚駅から鶴巻温泉駅までは、一番早いルートでも所要時間約1時間で、運賃は片道700円前後かかります。これではお見舞いに来るのが大変です。
blog_24 学会・研究会発表 受賞報告・スタッフ相談室
I.学会・研究会で受賞者続出
鶴巻温泉病院の職員の発表が色々なところで賞をもらっています。皆の努力が実ってきていて嬉しいことです。
1.昨年9月に行われた「第29回関東甲信越ブロック理学療法士学会」でリハビリテーション部の小竹さんの発表が「学会奨励賞」を受賞しました。
250演題から会長賞1、奨励賞3題しか選ばれないそうで、凄いことです。
鶴巻温泉病院リハビリテーション部 小竹康一・大木雄一
「脳卒中片麻痺患者の体幹機能とベッド-車椅子間移乗動作能力との関連性」
この研究は、ベッドから車椅子への乗り移りが一人で行えるようになるには,どのような機能が重要かを調べたもので、以下の二つのことが分かりました。
- 足の麻痺の程度や筋力ではなく,体幹機能(腹筋などの筋力により体を支える機能)が重要であること。
- 更に,FACTという体幹機能を評価するテストの点数が,12点以上であると,ベッドから車椅子への乗り移りが一人で行える可能性が高くなること。
blog_23 被災地支援 現地ボランティア報告
被災地支援 現地ボランティア報告
東日本大震災に際し、鶴巻温泉病院のスタッフも数名が現地ボランティア活動を行いました。報告書の一部を掲載します。
- 栄養科支援報告 栄養科 管理栄養士 清水 紗弥香
活動期間:平成23年5月14日~16日
拠点場所:宮城県石巻市、女川町、桃生の避難所
内容:栄養アセスメント、炊き出し
行政、各ボランティアの活動が連携なく、同じようなアセスメント・聞き取り調査をしていました。そのことで被災者の方々の心を深く傷付けている現状がありました。今回の活動で重要な事は、活動の継続とチームケア構築だと思います。
また、地震や津波で、家族、家、職、宝物を失った悲しみを堪えながら、前に進もうとしている被災者の姿・言葉はとても重く感じ、無力さを痛感しました。
現地に行って、はじめて知った言葉は「被災太り」です。糖質・脂質(揚げ物やお菓子)を摂ることが多いこと、次に大きな地震が起きたらいつ食べられなくなるか分からない不安から、地震が起きる度に食べてしまい「被災太り」が起きるそうです。
今の私にできることは、実際に見た「現実」を言葉にして伝えていくことであり、栄養士として、人として「支援とは何か」について真剣に考えていきたいと思います。東北の方々が明るく、笑顔いっぱいの生活に戻る日を願います。
blog_21 患者さんの「笑顔」や「ありがとう」がわたしたちの力に
鶴巻温泉病院では年に1回学術研究発表会を行います。
今年は3月6日に伊勢原市民文化会館で第22回の発表会を行いました。20題の演題が発表されましたがどれもすばらしいものでした。昨年から賞を出していますが今年受賞した発表を紹介します。
病院長賞:5階南病棟 齋藤拓、内田太一
「当病棟の汚物庫に於けるコーヒー豆による消臭効果の検証」
病棟ではオムツや排泄物の臭いが気になりますが、その臭いをコーヒーを淹れて残った豆を使って消臭できるかという研究です。
臭いのセンサーを導入して科学的に測定し、コーヒー豆440gを使用すると消臭効果が十分で、しかもコーヒーの臭いも気にならず理想的であると結論付けています。臭いという定量の難しい現象を科学的根拠を持って論じたことと、すぐに実行できること、さらに廃物利用で地球に優しいことが高得点の理由です。
blog_20 新しく就職された皆さんおめでとうございます
この度の東日本大震災により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被害を受けられた皆さま、そのご家族に、心からお見舞いを申し上げます。
東日本大震災の被災者の皆様への義援金に関する報告です。鶴巻温泉病院職員からの義援金が総額67万600円となりました。これに今まで患者さま・ご家族から頂いた病院への寄附金から追加をしまして総額100万円とし、寄附を行うことに致しました。ご協力ありがとうございました。
鶴巻温泉病院に新しく就職された皆さんおめでとうございます。
大震災、原発事故とまだまだ日本の未来が見えていません。でも皆さんは新しい人生の一歩を踏み出しました。日本人は忍耐強さと団結力があり、世界でも尊敬を集めています。また緻密で真面目、周りを思いやる優しさがあることも自慢できます。その日本人の一員であることを自覚し、その気持ちを新しい職場で生かしてください。
「同じく新人の三家本洋子(みかもとようこ)副院長兼看護部長」(写真右)
患者さんから頂いた感謝の言葉を少し抜粋してみます。
blog_19 平成23年度「鶴巻温泉病院 方針と目標」を決めました
- 患者さんに選ばれる病院
- 職員が働いていることを自慢できる病院
- 時代にあった慢性期病院として進化する病院
1.患者さんのQOL向上
- 良質の診療・リハビリ・ケアを受けることができる
- 病院へお見舞いに来る回数・人数を増やす
2.職員のQOL向上
- 就職したくなる病院にする
- 対外的な認知度(ブランド力)を上げる
3.チーム医療の質的強化・推進
- 慢性期医療協会の認定審査を受ける
- お互いが良いコミュニケーションをとり、協力し、研鑽し合っている
- 学会発表・論文発表を増やす
平成22年度の方針は「スーパー鶴巻温泉病院を実現しましょう」(院長通信2010年3月号)でした。
blog_18 病院の実力 2011 小田急ステッカー「夢」
病院の実力 2011
2月10日発売の「病院の実力2011」(読売新聞社)に当院の紹介記事がでています。
タイトルは「充実のチーム医療により時代が求める慢性期医療を実現。進化するリハビリテーション病院 鶴巻温泉病院」となっています。(記事はPDFファイルでご覧いただけます)
162ページ以降には院長通信 2010年5月号で紹介した回復期リハビリテーション(リハ)病棟に関する全国統計が出ていますが、統計は2009年の統計なので少し古く、当院では現在206床(全国4番目)で、日曜も含めた365日リハを実施しています。回復期リハは脳卒中や大腿骨骨折などで発症または手術から2ヶ月以内の患者さんが入院できます。3-6ヶ月の入院中に集中的なリハを行い、自宅へ退院できるようにすることが目的です。
当院の回復期リハ病棟は規模の大きさ以外にも幾つかの特徴があります。
blog_17 明けましておめでとうございます
2011年 第 1 号
明けましておめでとうございます。本年も院長ブログをよろしくお願いします。
~感謝の言葉~
最近、鶴巻温泉病院に届いた感謝の言葉を掲載します(個人情報等により一部改変しています)。
《昨年ご逝去された患者さまのご家族から》
暑い夏も終わり、少しほっとして居ります。両親がお世話になりました。「鶴巻温泉病院」にはただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
私自身持病があり、体調が優れない日々でしたが、病院へ行くと、父も母も医療・介護・食事・入浴と全て完璧になされていました。帰りの電車の中で感謝で胸がいっぱいになり何度涙をながしたか分かりません。
本当に本当にありがとうございました。私の入院の際には「鶴巻温泉病院」にと家族に話しています。もう一度心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。