blog_23 被災地支援 現地ボランティア報告
2011.07.12
被災地支援 現地ボランティア報告
東日本大震災に際し、鶴巻温泉病院のスタッフも数名が現地ボランティア活動を行いました。報告書の一部を掲載します。
- 栄養科支援報告 栄養科 管理栄養士 清水 紗弥香
活動期間:平成23年5月14日~16日
拠点場所:宮城県石巻市、女川町、桃生の避難所
内容:栄養アセスメント、炊き出し
行政、各ボランティアの活動が連携なく、同じようなアセスメント・聞き取り調査をしていました。そのことで被災者の方々の心を深く傷付けている現状がありました。今回の活動で重要な事は、活動の継続とチームケア構築だと思います。
また、地震や津波で、家族、家、職、宝物を失った悲しみを堪えながら、前に進もうとしている被災者の姿・言葉はとても重く感じ、無力さを痛感しました。
現地に行って、はじめて知った言葉は「被災太り」です。糖質・脂質(揚げ物やお菓子)を摂ることが多いこと、次に大きな地震が起きたらいつ食べられなくなるか分からない不安から、地震が起きる度に食べてしまい「被災太り」が起きるそうです。
今の私にできることは、実際に見た「現実」を言葉にして伝えていくことであり、栄養士として、人として「支援とは何か」について真剣に考えていきたいと思います。東北の方々が明るく、笑顔いっぱいの生活に戻る日を願います。
- 宮城県女川町立病院 薬剤科支援報告《1》 薬剤科 樋島 学
支援期間:平成23年5月8日~11日
支援業務:調剤業務、薬品管理業務、オーダリングシステムメンテナンス業務、薬剤師ボランティアマニュアル作成
●現地の状況
東北新幹線は4月25日から仙台まで開通していた。仙台駅周辺の道路は整備されていたが、石巻周辺から一変する。海岸沿いの平野部は瓦礫の山で無残に破壊されていた。女川町では湾内では20m程の津波が押し寄せた為、港町の低地は完全に崩壊し、海抜18mの高さに位置する女川町立病院の1階部分まで崩壊していた。瓦礫は撤去できていなく、ほこりは舞っており、下水の臭いに似た腐敗臭と鼻をつくツンとする臭いがあった。電気、水道は部分的に利用可能となっていたが、ガスはだめで、水風呂か自衛隊が設営した風呂で対応している状況であった。余震は毎日あり、地鳴りのような音が予兆としてあった。
●女川町立病院の状況
町内薬局は全て被災。生存薬剤師1名避難所にて確認でき、4/19時点で常勤2名にて薬局業務に当たっていた。1階部分は津波により被害が出たため、リハビリ室に診察室を、2階の共有スペースに医事課、薬剤部、待合室を仮設して外来診療に対応していた。急性期の患者は減少しているが、慢性疾患の患者が薬を求めて病院に押し寄せてきている状態(外来1日250人程度)であった。
食事は11時に昼食、17時に夕食と翌日の朝食が支給。内容はおにぎり、菓子パン、カップラーメンなどであった。飲料はミネラルウォーターが大量に支給された。トイレ、シャーワーは完備。宿泊場所はリハビリ室を利用。自衛隊の布団、毛布があり寒くて眠れないといったことは無かった。
●感想
被災地の状況はまさに地獄絵図。ビルの上にのっている車や船、根元から折れている建物もあり、最初に見たときにはショックのあまり絶句しました。悪臭もひどい状況で、テレビで報道されている画像とは、比べようのない深刻な状況になっていることが、被災地に足を踏み入れて始めて理解出来ました。食事はエネルギーから考えれば充足していますが、炊き出しが無いとインスタントやレトルトといった食料ばかりで、バランスの良い食事を摂取することは不可能でバランスを考慮した食糧支援の必要性を痛感しました。自分が車椅子を押していた患者様が目の前で津波に流された話や、家を流された話などを被災した方から直接教えていただき、あまりの生々しさに衝撃を受けました。今回の被災地支援では被災者や現地スタッフ、他の支援者とも交流する機会に恵まれ、自分の人生において非常に貴重な経験となりました。短い期間ではありましたが、被災地復興の一助が出来たことと、今回の支援を全面的にバックアップしていただいた鶴巻温泉病院の職員であることを誇りに思います。 - 薬剤科支援報告《2》 薬剤科 内海 誠司
支援期間:平成23年5月11日~14日
被災地の状況をテレビで見るのと、実際に見るのではやはり衝撃が違った。ずっと続いていくガレキの山や津波で流された車や船の山、骨抜きになったような建物はこの世のものとは思えない情景だった。病院職員の地震発生時や発生後の状況を聞くと、想像できないことばかりで、テレビなどで得られる情報には限界があると感じた。自分は神奈川県病院薬剤師会より支援に行ったが、異なる職種の薬剤師と馴れない環境の中で、4日間と短い期間ではあったが業務を遂行できたことは貴重な体験であり、薬剤師として自信をつけられた。支援期間を業務扱いとし交通費も支給していただいた病院の対応には感謝したいと思う。 - 薬剤科支援報告《3》 薬剤科 高木 大輔
支援期間:平成23年6月1日~4日
食事は配給等により不足なく摂ることができていたが、内容は十分なものではないため、現地ではビタミン不足による影響が出てきている。対応策として市販薬のビタミン剤が配布されていたが十分ではない。
支援者にとっては被災地は非日常であり、普段とは異なる業務を行っているが、被災地の患者さん、薬剤師にとっては破壊された町の風景や仮設薬局での業務がこれからずっと続くということを心して支援活動にあたるべきであると感じた。災害支援は支援者にとって良い経験ができるからという考えではなく、現地の患者・スタッフ・薬剤師を支援する目的で行っていることを再度確認して支援を行うべきであると感じた。
2010年度 お客さま満足度調査
鶴巻温泉病院では、「選ばれる病院」になるために2003年から「お客様満足度調査」と称して、退院された患者さまにアンケート調査を依頼しています。
アンケートは職員や療養環境に関する25の設問に対し、【4:期待を上回る、3:期待通り、2:期待を下回る、1:非常に失望】の評価を行って頂くものです。
2010年度の配布枚数は614枚で、回収枚数:368枚、回収率:59.9%でした。ご協力頂きまして、誠にありがとうございました。
ここでは総合満足度をお示ししますが、詳細は、近々ホームページの「私たちのサービス」 に掲載されますので是非ご覧下さい。 ※2011.07.26 「お知らせ」に掲載致しました。
/tsurumaki/patient/ssd/news/000427.html
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2011年7月12日 鶴巻温泉病院 院長 鈴木龍太
湘南メディカルセンター 湘南リハビリテーションセンター