院長ブログ

blog_9 ~病院の実力 「回復期リハビリ」 ~
2010.05.13

jituryoku01.jpg2010年5月2日日曜日の読売新聞の記事です。 病院の実力「回復期リハビリ」の神奈川編で、鶴巻温泉(病院)が1番上に載っています。


 鶴巻温泉病院の回復期リハ病棟は4病棟208床(近々206床に変更)で、全国で3番目の規模です。 回復期リハ病棟には脳卒中、骨折等で発症もしくは手術後2ヶ月以内の患者さんが入院してきます。


リハビリは最大1日9単位(1単位20分、最大3時間)まで保険診療で認められています。リハビリは患者さんとリハ療法士の1対1の作業ですから1日9単位を実施するのは大変です。

jituryoku02.jpgそこで今年の4月から1日6単位以上実施していると良くやっているという意味で充実加算が認められるようになりました。


鶴巻温泉病院の6.5という数字は1人の患者さんに1日平均6.5単位(平均2時間10分)リハビリをしたという数字です。右端の○は日曜日も含めて毎日リハビリを実施している施設で、△は休みがある施設です。当院は土曜と祭日は通常通りのリハビリを実施していますが、日曜日はリハビリを休んでいますので△になっています。 


今回のように新聞や雑誌で病床数や手術件数の多さで病院のランク付けをしているのをよく見ます。これらの数字では病院の規模や症例の多さが分かりますし、症例が多ければ、ある程度評価を得た病院だと推測できます。しかし治療内容の質を示しているわけではないので、本当の意味の病院のランク付けではありません。


そこでクリニカルインディケーター(CI)という指標が使われるようになってきました。臨床指標とも言います。医療行為の結果を数値で表し医療の質を評価しようとするものです。

CIでは規模や実績を表した数値だけではなく、一歩進んで、術後感染症の発症率、術後3ヶ月の生存率、がんで治療した患者さんの5年間生存率等を示します。回復期リハで言えば自宅退院率FIM(患者さんの日常動作を点数で評価する方法の一つ)が入院時と退院時で何点上がったか(FIM利得)等がCIとして分かりやすいと思います。

慢性期病院のグループである「老人専門医療を考える会」では「老人専門医療の臨床指標」として
①経口摂取支援率、②リハビリテーション実施率、③有熱回避率、④身体抑制回避率、⑤新規褥瘡発生回避率、⑥転棟転落防止率、⑦退院前カンファレンス開催率、⑧安心感のある自宅退院率の8項目を上げています。鶴巻温泉病院も調査に参加しています。


しかしCIにも問題点があります。重症患者ばかり扱う病院では自宅退院率は悪くなり、FIM利得も低くなります。がんの生存率も低くなります。

ですから入院患者の重症率やがんの進行度を示さないとフェアな数字ではありません。一方重症率が違うと病院ごとの比較が難しくなり、CIだけでは治療内容の良し悪しが判断できません。

今後信頼できるCIを全国の病院が示すようになればいいと思います。そうすれば病院も高いCIを出すという努力目標ができて日本全体の医療の質が上がると思います。


鶴巻温泉病院 院長 鈴木龍太
湘南メディカルセンター 湘南リハビリテーションセンター 

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