院長ブログ
あっという間に1年が過ぎようとしています。皆さん今年も大変ご苦労様でした。 今年は震災、原発事故に始まり、日本にとって何百年に一度の大変苦しい年でした。でも悪いことばかりではなく、我慢強く思いやりに富む日本人の行動は世界に賞賛と尊敬の念を与えました。日本人は新しいことを生み出すことはそれほど得意ではありませんが、あるものを「工夫」して、使いやすく進化させることは大変得意です。これからも得意な「工夫」と、賞賛に値する忍耐・思いやりで日本は必ず再生すると確信しています。
一方震災後の経済的不安感や周辺医療施設の整備によって鶴巻温泉病院も今までのように待っていれば患者さんが入院されるという状況ではなくなりました。これは今までと同じことをしていてはだめだということを示しています。
退院された患者さんからのお便りに次のようなものがありました。
「入院時、体調が悪くミキサー食をお願いしていましたが、家庭ではできないくらい、品数や栄養バランスを考えてくださり、食べることが生きがいだった父にとってはとてもしあわせなことでした。」
患者さんにとって食べることは楽しみの一つです。できるだけおいしく、楽しめる食事を提供できたらと思っています。でも病状によっては口から食事を取れない患者さんもたくさんいらっしゃいます。栄養科ではそのような方にも症状に配慮しつつ、ご家族も一緒に楽しむ「おやつバイキング」や、刺身をガーゼで包んで食感を楽しんでいただいたり、口の中をさっぱりさせ食欲に繋げるためにレモン氷を準備したりして口から食べることを推進しています。
平成23年度 鶴巻温泉病院の方針と目標(院長通信2011年第3号)に「①患者さんのQOL向上」があり、具体的目標が「病院へお見舞いに来る回数・人数を増やす」となっています。
患者さんにとってご家族やお友達がお見舞いに来てくださることはとてもうれしいことだと思います。なあ 6階のパティオで患者さんとご家族が楽しそうに過ごしていたり、足湯でご家族が患者さんの足を優しく洗っていたりしているのを見るのは嬉しいことです。
そこで今年の8月の2週間でお見舞いにこられた方の人数を調べてみました。
平日は250-300人、土日は350人前後の方がお見舞いに来られています。入院患者さんは570人前後ですから、随分大勢の方が見えています。

もちろんそれぞれのご事情があり、病院になかなかこられない方もいらっしゃいますので一概に良い悪いというわけではありません。それでも少しでも病院に来易い環境を提供できたらと考えています。
その一つの取り組みとして2011年3月から平塚駅と鶴巻温泉病院を結ぶ無料バスの運用を開始しました。愛称を募集して「つるまきシャトル」と呼んでいます。
当院の入院患者さんは平塚、大磯、鎌倉方面の方が30%程度いらっしゃいます。電車ナビで調べてみると平塚駅から鶴巻温泉駅までは、一番早いルートでも所要時間約1時間で、運賃は片道700円前後かかります。これではお見舞いに来るのが大変です。
I.学会・研究会で受賞者続出
鶴巻温泉病院の職員の発表が色々なところで賞をもらっています。皆の努力が実ってきていて嬉しいことです。
1.昨年9月に行われた「第29回関東甲信越ブロック理学療法士学会」でリハビリテーション部の小竹さんの発表が「学会奨励賞」を受賞しました。
250演題から会長賞1、奨励賞3題しか選ばれないそうで、凄いことです。
鶴巻温泉病院リハビリテーション部 小竹康一・大木雄一
「脳卒中片麻痺患者の体幹機能とベッド-車椅子間移乗動作能力との関連性」
この研究は、ベッドから車椅子への乗り移りが一人で行えるようになるには,どのような機能が重要かを調べたもので、以下の二つのことが分かりました。
- 足の麻痺の程度や筋力ではなく,体幹機能(腹筋などの筋力により体を支える機能)が重要であること。
- 更に,FACTという体幹機能を評価するテストの点数が,12点以上であると,ベッドから車椅子への乗り移りが一人で行える可能性が高くなること。
被災地支援 現地ボランティア報告
東日本大震災に際し、鶴巻温泉病院のスタッフも数名が現地ボランティア活動を行いました。報告書の一部を掲載します。
- 栄養科支援報告 栄養科 管理栄養士 清水 紗弥香
活動期間:平成23年5月14日~16日
拠点場所:宮城県石巻市、女川町、桃生の避難所
内容:栄養アセスメント、炊き出し
行政、各ボランティアの活動が連携なく、同じようなアセスメント・聞き取り調査をしていました。そのことで被災者の方々の心を深く傷付けている現状がありました。今回の活動で重要な事は、活動の継続とチームケア構築だと思います。
また、地震や津波で、家族、家、職、宝物を失った悲しみを堪えながら、前に進もうとしている被災者の姿・言葉はとても重く感じ、無力さを痛感しました。
現地に行って、はじめて知った言葉は「被災太り」です。糖質・脂質(揚げ物やお菓子)を摂ることが多いこと、次に大きな地震が起きたらいつ食べられなくなるか分からない不安から、地震が起きる度に食べてしまい「被災太り」が起きるそうです。
今の私にできることは、実際に見た「現実」を言葉にして伝えていくことであり、栄養士として、人として「支援とは何か」について真剣に考えていきたいと思います。東北の方々が明るく、笑顔いっぱいの生活に戻る日を願います。
鶴巻温泉病院では年に1回学術研究発表会を行います。
今年は3月6日に伊勢原市民文化会館で第22回の発表会を行いました。20題の演題が発表されましたがどれもすばらしいものでした。昨年から賞を出していますが今年受賞した発表を紹介します。
病院長賞:5階南病棟 齋藤拓、内田太一
「当病棟の汚物庫に於けるコーヒー豆による消臭効果の検証」
病棟ではオムツや排泄物の臭いが気になりますが、その臭いをコーヒーを淹れて残った豆を使って消臭できるかという研究です。
臭いのセンサーを導入して科学的に測定し、コーヒー豆440gを使用すると消臭効果が十分で、しかもコーヒーの臭いも気にならず理想的であると結論付けています。臭いという定量の難しい現象を科学的根拠を持って論じたことと、すぐに実行できること、さらに廃物利用で地球に優しいことが高得点の理由です。
この度の東日本大震災により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被害を受けられた皆さま、そのご家族に、心からお見舞いを申し上げます。
東日本大震災の被災者の皆様への義援金に関する報告です。鶴巻温泉病院職員からの義援金が総額67万600円となりました。これに今まで患者さま・ご家族から頂いた病院への寄附金から追加をしまして総額100万円とし、寄附を行うことに致しました。ご協力ありがとうございました。
鶴巻温泉病院に新しく就職された皆さんおめでとうございます。
大震災、原発事故とまだまだ日本の未来が見えていません。でも皆さんは新しい人生の一歩を踏み出しました。日本人は忍耐強さと団結力があり、世界でも尊敬を集めています。また緻密で真面目、周りを思いやる優しさがあることも自慢できます。その日本人の一員であることを自覚し、その気持ちを新しい職場で生かしてください。
「同じく新人の三家本洋子(みかもとようこ)副院長兼看護部長」(写真右)
患者さんから頂いた感謝の言葉を少し抜粋してみます。
- 患者さんに選ばれる病院
- 職員が働いていることを自慢できる病院
- 時代にあった慢性期病院として進化する病院
1.患者さんのQOL向上
- 良質の診療・リハビリ・ケアを受けることができる
- 病院へお見舞いに来る回数・人数を増やす
2.職員のQOL向上
- 就職したくなる病院にする
- 対外的な認知度(ブランド力)を上げる
3.チーム医療の質的強化・推進
- 慢性期医療協会の認定審査を受ける
- お互いが良いコミュニケーションをとり、協力し、研鑽し合っている
- 学会発表・論文発表を増やす
平成22年度の方針は「スーパー鶴巻温泉病院を実現しましょう」(院長通信2010年3月号)でした。
病院の実力 2011
タイトルは「充実のチーム医療により時代が求める慢性期医療を実現。進化するリハビリテーション病院 鶴巻温泉病院」となっています。(記事はPDFファイルでご覧いただけます)
162ページ以降には院長通信 2010年5月号で紹介した回復期リハビリテーション(リハ)病棟に関する全国統計が出ていますが、統計は2009年の統計なので少し古く、当院では現在206床(全国4番目)で、日曜も含めた365日リハを実施しています。回復期リハは脳卒中や大腿骨骨折などで発症または手術から2ヶ月以内の患者さんが入院できます。3-6ヶ月の入院中に集中的なリハを行い、自宅へ退院できるようにすることが目的です。
当院の回復期リハ病棟は規模の大きさ以外にも幾つかの特徴があります。
2011年 第 1 号
明けましておめでとうございます。本年も院長ブログをよろしくお願いします。
~感謝の言葉~
最近、鶴巻温泉病院に届いた感謝の言葉を掲載します(個人情報等により一部改変しています)。
《昨年ご逝去された患者さまのご家族から》
暑い夏も終わり、少しほっとして居ります。両親がお世話になりました。「鶴巻温泉病院」にはただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
私自身持病があり、体調が優れない日々でしたが、病院へ行くと、父も母も医療・介護・食事・入浴と全て完璧になされていました。帰りの電車の中で感謝で胸がいっぱいになり何度涙をながしたか分かりません。
本当に本当にありがとうございました。私の入院の際には「鶴巻温泉病院」にと家族に話しています。もう一度心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
宇宙ステーションに長期間滞在した宇宙パイロットを調べたところ骨密度が正常の20-30%に低下し、高齢女性と同じ程度になっていたそうです。これは宇宙に重力がなく骨に全く過重がかからないので骨がどんどん柔らかくなるためだそうです。
2010年度上期 鶴巻温泉病院賞が決定しました
鶴巻温泉病院では本年度から病院賞を出すことになりました。
9月の院長通信でお伝えしましたが、お蔭様で大勢の推薦があり、その中には患者さんからの推薦もありました。以下の方々の受賞が決定しました。おめでとうございます。
これからも鶴巻温泉病院のために頑張っていただけたらと思います。
また今回受賞を逃した方々も次回のチャンスがありますのでまた推薦して下さい。
5S活動を知っていますか?
本年度は鶴巻温泉病院は「5S活動」を重点活動にしています。5S活動とは整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5個の頭文字のSを取ったものです。
- 整理 - 必要な物と不要なものを分け、不要な物を捨てる
- 整頓 - 必要な物がすぐに取り出せるよう、置き場所・置き方を決めて表示を確実におこなう
- 清掃 - 掃除をしてゴミ・汚れのない綺麗な状態にすると同時に細部まで点検する
- 清潔 - 整理・整頓・清掃を徹底して実行し、汚れのない綺麗な状態を維持する
- 躾 - 決められたことを決められたとおりに実行できるよう、習慣づける
夢があるから、がんばれる。
小田急線の戸袋に鶴巻温泉病院のステッカーが貼ってあったのをご存知でしょうか?左右から見ると違う絵柄になっているものです。
8月からそのステッカーが変わりました。各車両で小田原方面の前から2つ目の左側扉のガラスに直接貼ってあります。
鶴巻温泉病院に入院されている患者さん・ご家族・働いている職員の気持ちを表す言葉として「夢があるから、がんばれる。」という言葉を選びました。
闘病生活や介護、仕事も夢があるからがんばれるのではないでしょうか?
先日巨人の木村コーチが くも膜下出血でなくなりました。
そのときインターネットで大勢の人が「くも膜下出血」を検索したそうです。それを聞いて、入院患者さんやご家族も病気のことをもっと知りたいと思っているのだろうと感じました。そこで私が以前一般の方が読んでも分かるように心掛けて書いた「病気の話」を当院のホームページに載せることにしました。
現在は脳梗塞、くも膜下出血、未破裂脳動脈瘤、脳出血、脳腫瘍、頭痛などがあります。 今回は脳出血の抜粋です。
脳出血
どんな病気
・・・・脳出血は脳内出血とくも膜下出血があります。・・・高血圧性脳出血は動脈硬化により脳の細い血管に変化が起こりそこから出血するものと考えられています。・・・
どんな症状 ?
脳出血は一般に頭痛と嘔吐で発症します。その他の症状は出血が起こった部位によって違います。ここでは急性期の症状を書きます
4月の院長通信で職員の皆さんに「鶴巻温泉病院で自慢できること」を考えておいて下さいとお願いしました。そろそろ聞いてみようと思いますので宜しくお願いします。
前々回は口腔ケアのお話をしましたが、まだまだ自慢できることがあります。今回もそれを紹介します。
鶴巻温泉病院では約半分の入院患者さんが口から食事が取れない状態です。そのような患者さんの多くは鼻から胃に入れた管(経鼻胃管)や、お腹から胃に穴をあけて管を通した胃廔(いろう)から水分や液体の栄養剤を注入しています。
4月になりました。新年度の始まりで鶴巻温泉病院には69名の新社会人が入職されました。入職式で希望に燃えた瞳が頼もしかったです。
オリエンテーションでは以下のような宿題をだしました。 平成22年度鶴巻温泉病院の方針は「スーパー鶴巻温泉病院を実現しましょう」です。方針の二番目に「働いていることが自慢できる病院」という項目があります。皆さん一人ひとりが「鶴巻温泉病院で自慢できること」を言えるようにしておいて下さい。 というものです。これは新人ばかりでなく、全ての職員の人に対するお願いです。
「鶴巻温泉病院で自慢できること」で私が思いつくものがあります。
2月に鶴巻温泉病院 学術研究発表会がありました。ここで
院長賞以下6件の研究が賞をとりました。どれも当院の自慢になるような研究です。そのうち「オキシドールを用いた口腔ケアの導入 ~客観的指標を用いた口腔内清潔度の変化~」(3階南病棟 山本眞規子、松本吉成)について少しお話します。
オキシドールで口腔ケアを行うと舌苔が取れ、口臭が改善するという発表です。その成果を写真で示します。
- 患者さんに選ばれる病院
- 働いていることが自慢できる病院
- コンプライアンスを守り、健全な経営をしている病院
1.患者さんのQOL向上
- 満足のいく診療・ケア・リハを受けることができる
- 家族がよく会いに来てくれる
- 医療者と良好なコミュニケーションがとれている
2.職員のQOL向上
- 的確な評価とフィードバックができている
- ボトムアップ、スキルアップの推進・援助ができている
- 業務内容・人的環境の改善に取り組んでいる
3.チーム医療の質的強化・推進
- それぞれの職種がプロとしての腕を磨いている
- お互いが良いコミュニケーションをとり、協力し、研鑽し合っている
- 多機能病棟を横断的に結びつけている
- 地域への連携と貢献に取り組んでいる
まず下のイラストを見て下さい。医師らしき男性が頭にカチンときていて、看護師に文句を言っている絵です。病院ではよくある構図だと思いませんか?皆さん明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
先日私の担当患者さんが亡くなりました。6年間当院に入院なさっていたそうです。お別れのご挨拶に伺いました。さぞ悲嘆にくれていらっしゃるかと思いましたが、思いのほかご家族は毅然とされていました。私におっしゃることは「この病院に入院できて本当に良かった」「病院や職員の方々がすばらしくて、見舞いに来るのが楽しみだった」と病院と職員へのお褒めの言葉ばかりでした。
とても感動しました。職員の皆さんのおかげです。
当院では患者さん・ご家族に快適な入院生活を送っていただくためにサービスシステム開発室(SSD)という部署があります。
このSSDでは平成9年から退院した患者さん・ご家族の皆さんにアンケートを送り、入院中の感想・苦情をお聞きしています。60%前後の方からお返事を頂きます。その中の大半は嬉しいことにお褒めの言葉です。でも10%程度にお叱りの言葉や、いやな思い出、辛かったことなどが書いてあります。これを"ご意見"という言葉にまとめさせていただきます。アンケートで頂いた"ご意見"と、病院各所においてある「患者様・ご家族へ」と書いてあるご意見箱から集まった "ご意見"、またお客様のご意見・ご要望専用フリーダイアル「ペイシェントベル(0120-250646)」に頂いた "ご意見"は2008年度には全部で約170件になりました。
10月になって鶴巻温泉病院ではたくさんの変化が始まっています。具体的に挙げていきます。
- 地域連携サービス室開設
- 病院全体のIT化
- 病棟標準化プロジェクト
- 回復期2部制
- 南館1階改築工事
現在総職員数は680名程度で、活気あふれる優しいスタッフが患者さん・ご家族とチームを組んで患者さんのQOLを高めるために頑張っています。
当院の理念に「高齢者・リハビリ・緩和の各医療においてモデル病院となる」という項目があります。私も当院を日本一の素晴らしい病院にしたいと思っています。その実現のためには、病院の質を維持し、継続的に向上させなければいけません。それには職員に働きやすい職場環境を提供することが大切です。
職員が元気に笑顔で仕事をしていると、病院の質が向上しますし、患者さん・ご家族にも笑顔が広がります。そして患者さん・ご家族、さらに職員のQOLを向上することができます。

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