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鶴巻温泉病院 〒257-0001 神奈川県秦野市鶴巻北1-16-1 TEL 0463(78)1311

身体の話シリーズ

運動したり、病気になったりすると身体の色々なところに不具合が生じます。そんな時に知っておいて良かったと思える話を連載していきます。

第9回 緊張型頭痛 ストレスと病気

-頭痛と上司-

 私は脳神経外科医ですから頭痛の患者さんを多く診察します。頭痛には脳卒中や脳腫瘍など脳の病気があって起こるものと、そうではない機能性頭痛があります。機能性頭痛の代表的なものは片頭痛と緊張性頭痛です。片頭痛は若いときから月に一度くらい頭の片方がズキンズキンと痛くなります。女性に多く生理痛も片頭痛の一種と考えられています。緊張性頭痛は疲れやストレスで筋肉が硬くなって起こる頭痛で頭が締め付けられるように感じます。肩こり、眼性疲労、姿勢、首の骨の問題、かみ合わせなどでもなります。


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 緊張性頭痛の人を診察するとき、たいてい「何かストレスがありますか?」と質問します。特に30代前後の人には「仕事が大変ですか?」とか「嫌な上司がいませんか?」と聞くと「そうなんです」と納得の返事です。子供の小さい女性では子育てがストレスになり、中高年女性では退職して家にいるご主人がストレスになることがあります。年齢に関係なく、家族や恋人など人間関係のトラブルがあって、話しを聴いているてうちに涙声になってしまう患者さんもいます。


 ではなぜ嫌な上司や人間関係のトラブルで頭が痛くなるのでしょうか。


イラストbyひろき
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 以前のコラムにも書きましたが、脳の中で快・不快を感じるのは大脳辺縁系といわれる場所です。辺縁系には記憶の中枢である海馬や、情動を感じる扁桃体があります。扁桃体の刺激は視床下部という場所に伝わり脳内に色々なホルモン物質が出て自律神経を刺激します。幸せな気分はセロトニンやエンドルフィンが放出され、不快や恐怖ではアドレナリンやノルアドレナリンが放出され交感神経の働きを強めます。


 嫌な上司というのは最初から嫌だったわけではありません。何かのエピソードがあってその上司を嫌だと思うようになったわけです。このエピソードを記憶しているのが海馬です。


 嫌な上司を前にすると海馬が嫌な記憶を扁桃体に伝えます。扁桃体では不快・恐怖・緊張といった反応が起こり、この刺激は視床下部に伝わりアドレナリンやノルアドレナリンが放出されます。アドレナリンは血管を収縮させますから肩や頸の筋肉の血流が減って筋肉の栄養が不足し、筋肉でできた老廃物を外へ運び出せなくなります。このため筋肉が凝ってしまうのです。これにより、肩こりが起こり、緊張性頭痛が引き起こされます。


 ときには安定剤を寝る前に飲んでもらいます。これは精神的にストレスを除くためだけではなく、寝ている間に筋肉をリラックスさせ、気持ちの良い朝を迎えるためです。海馬や扁桃体は嫌な上司を見ただけで反応を起こし交感神経を刺激しますから、嫌な上司からははなるべく遠ざかって見えないところにいたほうが良いと思います。



鶴巻温泉病院 病院長 鈴木 龍太


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