栄養科ブログ_2 便秘に対する管理栄養士の取り組み(前篇)
2013.11.25
こんにちは。今回の栄養科ブログでは、管理栄養士の便秘改善の取り組みについて紹介したいと思います。
栄養科 管理栄養士 三橋 直樹
便秘に対する管理栄養士の取り組み ~患者様の自然排泄を目指して~
目次(前篇)
1. 便秘について
今回は皆様にとっても身近な話題である「便秘」に対する取り組みについてお話したいと思います。
ところで、皆様は便秘を経験したことがありますか?こう質問すると、ほとんどの方が「ある」とお答えになるかと思います。では、どんな時に便秘になるのでしょうか。
便秘の要因は人によって様々です。例えば、「旅先などの環境の変化によるストレス」、「食物繊維や水分の摂取不足」、「妊娠」、「加齢による腸内環境の変化」など...。ちょっとした生活習慣の変化が便秘の要因になっています。
2. 排便のメカニズム(1)~便の形成~
初めに、皆様と一緒に排便のメカニズムについて勉強していきたいと思います。
まず、私たちが食べた物は、食道を通り、胃や十二指腸で胃酸や消化酵素による消化(吸収されやすい形への分解)が行われます。
次に、小腸で栄養素の吸収を行い、残ったカスや食物繊維など(食物残渣)は大腸へ送られます。
大腸に送られた直後の便はまだ液状の状態です。大腸では、主に水分や電解質(ナトリウム、カリウム、マグネシウム等)の吸収が行われ、便は徐々に液状から固まりになっていきます。
この時、水分の吸収を受けずに通過すると液状の便(水様便)となり、反対に移動速度が遅く体内にたまっていると水分の吸収が進み、パサパサでコロコロの便になります。つまり、通常、便の硬さは大腸での移動時間に関係します。大腸で形成された便は直腸に送られ、ここで初めて私達は便意を感じトイレにいきます。