診療部より
リハビリと療養に携わる医師のリレーエッセイ
リレーエッセイ
視床出血では運動麻痺も起こりますが、感覚障害が強く出ます。慢性期になって出血と反対側の手や足が非常に痛くなる場合があります。これは視床痛といい、鎮痛薬が効きません。この場合定位脳手術といって特殊な手術を行う場合があります。それ以外に視床出血では左右の目の位置がおかしくなります、寄り目になったり、両目が下に向いて動かなくなったりします。左側の視床出血では言葉もしゃべれなくなることがあります。高齢者に多い病気で、寝たきりの原因となり、痴呆にもなり易い病気です。
小脳出血は突発する頭痛、嘔吐、めまいが起こり、立ち上がるとふらふらして歩けません。小脳出血のめまいは非常に強いもので、ずっと続きます。最初のうちは意識障害はありませんが徐々に意識障害が起こり、呼吸状態が悪くなってきます。小脳出血の場合は早いうちに手術すると改善しますから、呼吸障害がひどくならないうちに手術することが必要です。
橋出血では重症例が多く出血の最初から意識障害、呼吸障害、四肢麻痺(両手足が動かなくなる)が起こります。
目も固定し、上下にずれたりして見るからに異常です。また瞳孔(黒目の真中)が非常に小さくなります。瞳孔の大きさは脳の病気の時には非常に重要で、意識障害で、瞳孔が5mm以上に開き、光を入れても縮まない場合は危篤状態です。橋出血は以前はすべて重症と考えられていましたが、症状が軽いものでCTやMRIでみると小さな橋出血が見つかる場合が増えてきました。
脳葉出血は若い人ではAVMの出血、高齢者ではアミロイド血管症を考えます。症状は出血した場所により、片麻痺や視野障害、言語障害などがでますが、頭痛は殆どの症例で起こります。
鶴巻温泉病院 湘南メディカルセンター 湘南リハビリテーションセンター
病院長 鈴木 龍太
脳出血について3回に分けて詳しくご説明しています。
平成22年5月 脳の病気シリーズ(13疾患)を公開いたしました。病気の話のバナーをクリックしてご覧ください。
脳出血 「どんな症状」
脳出血は一般に頭痛と嘔吐で発症します。その他の症状は出血が起こった部位によって違います。ここでは急性期の症状を書きます。