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鶴巻温泉病院 〒257-0001 神奈川県秦野市鶴巻北1-16-1 TEL 0463(78)1311

診療部より

栄養科ブログ_3  便秘に対する管理栄養士の取り組み(後編)

栄養科ブログ_3  便秘に対する管理栄養士の取り組み(後編)

2013.11.26

便秘に対する管理栄養士の取り組み ~患者様の自然排泄を目指して~

目次(後編

  1. 排泄管理の現状
  2. 便秘改善と水溶性食物繊維
  3. 今後に向けて

4.排泄管理の現状
 私が担当している医療療養病棟の患者様の多くが便秘に悩まされています。
 何故ならば、前回にお話した排便のメカニズム(1)~便の形成~、(2)~便の排出~「大腸の動き」が低下し、疾患により、ご自身で「いきむ」ことが出来ない方が多いからです。入院患者様のうち、下剤等を使わずに、自力での排泄が行える患者様は1割くらいです。それ以外の患者様は下剤・摘便(肛門から指を入れ、溜まっている便をかき出す。指の刺激で便を出しやすくする)・浣腸の力を借りて排泄を行っています。
 しかし、下剤や浣腸の薬効には個人差があり、薬量の調整が難しく、薬が効き過ぎると下痢になるなど、患者様にとって苦痛を伴うことがあります。薬局にいけばたくさんの便秘薬が売られています。それでは、便秘薬にはどのような種類があるのか少し見てみましょう。
◆便秘に関連する薬剤◆
分類 はたらき
下剤 ①大腸の動きを促進する
②大腸内の水分吸収を抑える
③大腸内で便の水分を吸収し、膨張しカサを増やし、排便を促す
整腸剤 腸内環境を整える
座薬 大腸内に炭酸ガスを発生させ、間接的に直腸を刺激する
浣腸 直腸に注入し、刺激する。便をやわらかくして出す。
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5.便秘改善と水溶性食物繊維
 前の章でもお話しましたが、便秘薬には副作用もあります。その副作用に苦しむ患者様を見ているうちに、「食事の工夫で何とかご自身で便を出せないか」と考えるようになりました。
 そこで管理栄養士である私は食物繊維の働きに着目し、現在食物繊維を用いた便秘改善に取り組んでいます。
 それでは、食物繊維についてみていきましょう。食物繊維には大きく分けて水溶性と不溶性の2つの種類があります。多く含まれている食品やはたらきは以下の通りです。
食物繊維 主な働き 多く含まれる食品
不溶性 大腸内の水分を吸収し、便のかさを増やす きのこ
甲殻類(エビ、カニなど)
ピーナッツ等
水溶性 ①大腸内の水分を吸収し、便の性状、形状をよくする
②大腸内で発酵し、善玉菌(ビフィズス菌等)の餌になる
リンゴ、レモン、グアー豆、海藻類、とうもろこし、デンプン等


MB900411902.JPG 当院では、便の硬さを整えること、腸内環境の改善効果に着目し、3年前から食物繊維含有食品(水溶性食物繊維サプリメント)の提供を始めました。この水溶性食物繊維が多く含まれたサプリメントを飲み物や汁物に混ぜて飲んで頂いたり、鼻の管や胃ろうから水に溶かして注入しています。

 この取り組みにより、便秘患者様のうち2~3割の患者様に下剤・浣腸の中止や減量などの効果がみられました。また、一部の患者様より「あれを飲むようになってから、便が軟らかくなり、下剤や浣腸をしなくても出るようになった、ありがとう」と喜びの声を頂いています。
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6.今後に向けて
 この取り組みは全ての患者様に適応するわけではありません。便秘の要因と対策は患者様によって様々です。患者様が薬の副作用に悩まされることなく、ご自身で便を出すことを目指すには管理栄養士だけでなく、医師・薬剤師・看護師・介護福祉士・リハビリテーションスタッフなど様々な職種が連携していく事が不可欠です。少しでも患者様にとって安全で安楽な排泄につなげられるように引き続きチームで取り組んでいきたいと思います。
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